Mシリーズ製品には、一般グレードの標準タイプの他、耐候タイプ（表示記号C）、耐熱タイプ（表示記号H）、難燃タイプ（表示記号D）、耐熱エージングタイプ（表示記号Z）がラインナップ。ブラックの耐候タイプは、カーボン添加により屋外での電線結束などにいちじるしい耐候性を発揮し、イエローの耐熱タイプは、モータステータコイルのリード線などの高温部（上限使用温度120℃）での結束に優れた耐熱性を示します。さらに、白色の難燃タイプは、電源トランスやスイッチングレギュレターなどの過熱しやすい部分での結束に難燃性を発揮。耐熱エージングタイプはナイロン46を使用。ハロゲンランプ等放熱部（雰囲気温度180℃対応）での結束に優れた耐熱性を発揮します。使用される箇所、用途に応じて、5つのタイプからお選びいただけます。

SKバインダーの素材は「ナイロン66」。正式名称はポリアミド樹脂ですが、合成繊維”ナイロン”と同じポリマーから構成されているため、通称ナイロン樹脂と呼ばれています。ナイロン樹脂は分子構造上、ナイロン6、66、610、11、12、46などに分類され、なかでもSKバインダーの素材である「ナイロン66」は、ケーブルタイに最も適した数多くの特性を持っています。「ナイロン66」の密度当りの強度（引張り強さ:500〜1,000kg/cm²）は金属に匹敵するほど大きく、その反面、疲労しにくく粘り強いため脆弱性破壊を起こしにくい、という優れた特性を示します。ギヤなどの摩擦材料に使用されるほどの自己潤滑性と耐摩耗性は、ケーブルタイに要求される、”軽い嵌合と強い反力”に欠かせない特長です。振動、衝撃を吸収する性質は、結束力の信頼性を一層高めます。「ナイロン66」は化学変化にも強く強酸以外には安定した性質を保ち、有機溶剤にもほとんど変質しません。また、電気絶縁性、耐候性、自己消火性、耐熱性にも優れ、広い温度範囲でご使用いただけます。さらに過酷な条件下でのご使用には、カーボン添加により耐候性を増強した「耐候タイプ」、「ナイロン66」の中でも高温下でのエージング特性に一段と優れた耐熱グレード素材を使用した「耐熱タイプ」が用意されています。このように、数々の優れた特長を持つ「ナイロン66」は、様々な分野で使用されるＳＫバインダーに最も適した素材といえます。また昨今、ナイロン46、ナイロン9Ｔやナイロン10Ｔにも注目が集まっております。